薬師寺 銅造薬師如来及両脇侍像(金堂安置)
奈良県奈良市の薬師寺金堂に安置される国宝。白鳳時代(7世紀後半)に制作された薬師三尊像で、中尊の薬師如来坐像と日光菩薩・月光菩薩立像から構成される。日本を代表する白鳳彫刻の最高傑作として知られ、日本仏教彫刻史を語るうえで欠かせない名品である。
概要
銅造薬師如来及両脇侍像は、薬師寺金堂の本尊として安置される薬師三尊像である。中尊の薬師如来坐像を中心に、日光菩薩・月光菩薩を脇侍として配する。
白鳳時代を代表する金銅仏であり、日本古代彫刻の最高傑作の一つとして知られている。優雅さと力強さを兼ね備えた姿は、日本仏教美術の理想美を体現する作品として高く評価されている。
基本情報
| 正式名称 | 銅造薬師如来及両脇侍像(金堂安置) |
|---|---|
| 寺院名 | 薬師寺 |
| 所在地 | 奈良県奈良市西ノ京町457 |
| 時代 | 白鳳時代(7世紀後半) |
| 文化財指定 | 国宝 |
| 国宝指定日 | 1951年6月9日 |
| 大分類 | 如来 |
| 詳細分類 | 薬師如来 |
| 材質 | 銅造 |
| 員数 | 3躯 |
| 構成 | 薬師如来・日光菩薩・月光菩薩 |
| 像高 |
薬師如来 254.7cm 日光菩薩 317.3cm 月光菩薩 315.3cm |
| 安置場所 | 金堂 |
薬師三尊とは
薬師三尊とは、中尊の薬師如来と左右の日光菩薩・月光菩薩で構成される形式である。薬師如来は東方浄瑠璃世界の教主であり、人々の病苦を救済する仏として古くから信仰されている。
日光菩薩と月光菩薩は薬師如来を補佐する脇侍であり、三尊によって完全な信仰世界が表現される。薬師寺の薬師三尊像は、その理想的な構成美によって特に知られている。
歴史
薬師寺は天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って発願した寺院を起源とする。
薬師三尊像も寺の創建と深く関係しており、白鳳時代に制作された後、藤原京から平城京への移転を経て現在まで伝えられてきた。
長い歴史の中で薬師寺の本尊として崇敬され続け、今日では日本を代表する国宝仏として広く知られている。
評価
本像は日本彫刻史における白鳳彫刻の最高傑作として評価されている。古代中国・朝鮮半島の様式を受け継ぎながら、日本独自の優美な造形美を完成させた作品である。
中尊薬師如来の堂々とした存在感と、左右に立つ日光・月光菩薩の優雅な姿は見事な均衡を保ち、日本古代彫刻が到達した理想美を示している。
なぜ国宝に指定されたのか
日本を代表する白鳳彫刻であり、古代金銅仏の最高峰として極めて高い美術的価値を有している。
また、薬師如来・日光菩薩・月光菩薩の三尊が一体となって伝来していること、さらに台座や関連意匠に古代東西文化交流の影響が認められることから、日本美術史上きわめて重要な作品として国宝に指定されている。
見どころ
白鳳彫刻の最高傑作
優雅さと力強さが調和した、日本古代彫刻を代表する名作である。
薬師三尊の調和
三尊が生み出す完璧な均衡美は日本仏像史屈指の完成度を誇る。
巨大な薬師如来
像高254.7cmの中尊は堂内で圧倒的な存在感を放っている。
優美な脇侍菩薩
日光・月光菩薩の流麗な立ち姿は白鳳美術らしい優雅さを示している。
国際色豊かな台座
葡萄唐草文や四神などが表され、シルクロード文化の影響を見ることができる。
薬師寺金堂
復興された金堂中央に安置される姿は薬師寺信仰の中心そのものである。
鑑賞ポイント
- まず三尊全体の均整美を眺める。
- 薬師如来の穏やかで威厳ある表情を観察する。
- 日光菩薩と月光菩薩の優雅な立ち姿を比較する。
- 衣文表現や身体表現の自然さを見る。
- 台座に施された葡萄唐草文や四神に注目する。
- 白鳳文化が到達した理想美を味わう。
国宝指定されている薬師如来(全14件)
拝観情報
| 寺院名 | 薬師寺 |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県奈良市西ノ京町457 |
| 公開場所 | 金堂 |
| 公式サイト | 薬師寺公式サイト |
