海涌山 清白寺 | 山梨県 山梨市

清白寺は山梨市三ヶ所にある臨済宗妙心寺派の寺院である。寺そのものは決して大規模ではない。しかし境内に足を踏み入れると、ぶどう畑が広がる甲府盆地の風景の中に、国宝の仏殿が静かに佇んでいる。現在の山梨県に残る建造物国宝はわずかであり、その一つがこの清白寺である。

創建は鎌倉末期から南北朝期にかけてとされ、夢窓疎石を開山、足利尊氏を開基と伝える。現在残る仏殿は応永22年(1415年)の建立で、日本にわずかしか残されていない中世禅宗様建築の代表例として高く評価されている。

清白寺最大の見どころは、やはり国宝の仏殿である。方三間裳階付仏殿という典型的な禅宗様建築で、屋根の反りや組物の繊細な構成が美しい。近づいて見上げると、鎌倉時代に中国から伝わった建築技術が色濃く残されていることが分かる。特に禅宗様特有の花頭窓や木組みは、奈良や京都の古建築とは異なる魅力を持っている。

また、清白寺の魅力は建築だけではない。境内へ続く参道には梅の古木が並び、「梅の清白寺」としても親しまれている。開山の夢窓疎石が中国から持ち帰ったと伝わる西湖梅をはじめ、四季折々の花々が訪れる人を迎えてくれる。

さらに周囲を見渡せば、一面に広がる甲州のぶどう畑が目に入る。かつて水田や桑畑だった土地は、現在では日本有数のワイン産地となった。中世禅寺の国宝建築とぶどう畑が同じ景色の中にあるという組み合わせは、山梨ならではの風景といえる。

派手な観光寺院ではないが、清白寺には静かな存在感がある。室町時代初期の禅宗建築がほぼ完全な形で残され、ぶどう畑の風景の中に溶け込む姿は実に美しい。山梨を訪れるなら、ぜひ足を運びたい文化財の名刹である。

文化財

国宝 建築物 仏殿
重文 建築物 庫裏

巡礼の記録

2026年7月18日

大善寺から自転車でぶどう畑の中を走り、約20分で清白寺に到着した。この頃には雨も上がっていた。参道の両側には梅の木が並んでいる。「梅の清白寺」と呼ばれる理由がよく分かる景色だった。

総門をくぐると放生池があり、その先に山門、国宝の仏殿、本堂が一直線に並んでいる。禅宗寺院らしい整然とした伽藍配置である。

周囲には高い建物や大きな木がほとんどなく、境内全体に開放感がある。大善寺とは対照的で、空が広く感じられた。

国宝の仏殿は決して大きくない。しかし近づいて見ると存在感がある。禅宗様建築らしい端正な姿で、余計な装飾が少なく、建物そのものの美しさが際立っていた。

参拝者も少なく静かだった。放生池越しに山門と仏殿を眺めていると、時間がゆっくり流れているように感じられる。

派手さはないが、整った伽藍配置と国宝建築を落ち着いて味わえる寺だった。

基本情報

名称 海涌山(かいゆうざん) 清白寺(せいはくじ)
所在地 〒405-0011 山梨県山梨市三ヶ所620
宗派 臨済宗妙心寺派
本尊 釈迦如来
電話番号 0553-22-0829
拝観時間 9:00~17:00
拝観料 無料
公式HP https://seihakuji.com/
アクセス JR中央本線「東山梨駅」から徒歩約7分
中央自動車道「勝沼IC」から車で約15分
御朱印 あり
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