大宝寺 [愛媛県松山市]

大宝寺本堂は、愛媛県松山市南江戸に所在する真言宗豊山派寺院・大宝寺の中心伽藍であり、鎌倉時代前期に成立した県内最古の木造建築である。本堂は桁行三間、梁間四間、一重、寄棟造、本瓦葺を基本とし、柱はすべて円柱で構成される。組物は四隅の柱上に舟肘木を置くだけの簡素な形式で、平安末期の阿弥陀堂形式を継承した古式の和様建築として高く評価されている。

垂木間隔が柱間ごとに異なる点や、内部の柱が外周柱と一線に揃わない点など、古代建築の特徴をよく伝えており、建築史上きわめて重要である。屋根はもと茅葺であったが、延享二年(1745年)の修理で瓦葺に改められたと推定される。正面三間には蔀戸を備え、内部は外陣と内陣に明確に区画される。

堂内には寛永八年(1631年)作の厨子が安置され、正面三間・軒唐破風付・柿葺の構成を持つ。和様に禅宗様を加味した優れた造形であり、本堂とともに国宝の附指定を受ける重要な遺構である。また、貞享二年(1685年)再興の棟札も附指定として残されている。

大宝寺本堂は、簡素ながら均整の取れた美しさを備え、四国地方における中世寺院建築の代表作として位置づけられる。昭和二十八年三月三十一日に国宝指定を受け、今日に至るまで松山の歴史文化を象徴する建造物として広く知られている。

文化財

国宝 建築物 本堂
国宝 建築物 多宝塔
国宝 建築物 大門
重文 建築物 鎮守堂
史跡 史跡 紀州徳川家墓所

基本情報

名称 大寶寺(だいほうじ)
所在地 愛媛県上浮穴郡久万高原町菅生2-1173
宗派 真言宗豊山派
創建 701年(大宝元年)伝
開基 明神右京(伝)
本尊 十一面観世音菩薩
札所 四国八十八箇所 第44番札所
特徴 四国霊場屈指の山岳寺院・「中札所」として知られる古刹
国宝 本堂
重要文化財 木造菩薩面
木造随身立像
御朱印 あり
拝観料 境内自由
駐車場 あり
アクセス JR松山駅から久万高原方面バス利用、「大寶寺口」下車
公式HP https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kanko/kankoguide/rekishibunka/bunkazai/kuni/taihouji_hondou.html
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