瑠璃光寺 | 山口県山口市

瑠璃光寺は山口市香山公園内にある曹洞宗の寺院である。現在は国宝・五重塔によって知られているが、その本質は、室町時代に西日本最大級の勢力を誇った大内氏の歴史を今に伝える遺構にある。

国宝の五重塔は1442年に完成した。応永の乱で戦死した大内義弘の菩提を弔うため、弟の大内盛見が建立を始めたものと伝えられている。大内氏は京都の文化を積極的に取り入れ、山口を「西の京」と呼ばれるほど繁栄させた。その文化的成熟を象徴する建築が、この五重塔である。

高さは約31メートル。法隆寺五重塔や醍醐寺五重塔とともに「日本三名塔」の一つに数えられることが多い。法隆寺五重塔が古代建築の力強さを示し、醍醐寺五重塔が平安建築の完成形を示すとすれば、瑠璃光寺五重塔は室町建築の洗練を象徴する塔である。軒の出は深いが全体は細身で引き締まり、緩やかに反り上がる屋根が優美な姿を生み出している。

建築史的にも興味深い特徴を持つ。塔の内部には心柱を囲むように円形の須弥壇が設けられているが、この構造は塔としては他に例がほとんどなく、仏堂を含めても極めて珍しいものである。見た目の美しさだけでなく、技術的にも独自性の高い建築として評価されている。

瑠璃光寺五重塔の魅力は、近くで見るよりも少し離れて眺めたときによく分かる。香山公園の池や木々を前景にして立つ姿は実に均整が取れている。春の梅や桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季によって印象を変えるが、どの季節でも塔の輪郭の美しさは変わらない。

塔の内部は通常非公開であるが、特別公開の機会には阿弥陀如来坐像や大内義弘像、須弥壇、心柱などを間近で見ることができる。国宝というだけでなく、室町時代の美意識と大内文化の到達点を示す建築として、日本の塔婆建築を語るうえで欠かせない存在である。

文化財

国宝 建築物 五重塔
史跡 史跡 萩藩主毛利家墓所(香山墓所)
県指定 絵画 瑠璃光寺開山から三世までの肖像画(3幅)

基本情報

名称 瑠璃光寺(るりこうじ)
正式名称 保寧山 瑠璃光禅寺
所在地 山口県山口市香山町7-1
宗派 曹洞宗
創建 1471年(文明3年)
開山 大庵須益
開基 陶弘房夫人
本尊 薬師如来
特徴 日本三名塔の一つに数えられる国宝五重塔
国宝 五重塔
史跡 萩藩主毛利家墓所(香山墓所)
御朱印 あり
拝観料 境内自由
駐車場 あり
アクセス JR山口駅から徒歩約30分、または車約5分
公式HP https://yamaguchi-city.jp/kozantop/topjp.html
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