琵琶湖から流れ出る瀬田川のほとりに建つ石山寺は、滋賀県を代表する古刹である。奈良時代の747年、聖武天皇の勅願により創建されたと伝わり、現在は東寺真言宗の大本山として厚い信仰を集めている。
寺名の由来は、境内に露出する巨大な硅灰石(けいかいせき)にある。本堂はこの天然記念物の岩盤上に建ち、全国でも類を見ない壮観な景観を生み出している。硅灰石は世界的にも珍しい地質であり、国の天然記念物に指定されている。
最大の見どころは国宝の本堂である。現在の本堂は平安時代の再建で、滋賀県最古級の木造建築として知られる。また、鎌倉時代建立の多宝塔も国宝に指定されており、日本最古の多宝塔として高い評価を受けている。
石山寺は「花の寺」としても有名である。春の桜や梅、初夏の新緑、秋の約2,000本ともいわれる紅葉が境内を彩り、四季折々の美しさを楽しめる。特に「石山秋月」は近江八景の一つとして知られ、多くの文人墨客を魅了してきた。
石山寺を語る上で欠かせないのが紫式部と『源氏物語』である。
伝承によれば、紫式部は石山寺に参籠し、瀬田川や琵琶湖に映る中秋の名月を眺めながら『源氏物語』の構想を得たとされる。境内には現在も「源氏の間」が残され、執筆風景を再現した展示を見ることができる。
また、平安時代には「石山詣」が流行し、多くの女性文学者が訪れた。
- 『源氏物語』 紫式部
- 『蜻蛉日記』 藤原道綱母
- 『更級日記』 菅原孝標女
- 『枕草子』 清少納言
これらの古典文学に登場することから、石山寺は「文学の寺」とも呼ばれる。
石山寺は、観音信仰の聖地であると同時に、日本文学の原点のひとつでもある。月光に照らされた瀬田川を見下ろしながら歩けば、千年前に紫式部が見た風景と同じ情緒を味わうことができる。
文化財
国宝
建築物
本堂
国宝
建築物
多宝塔
国宝
書跡・典籍
釈摩訶衍論
国宝
書跡・典籍
淳祐内供筆聖教(薫聖教)
国宝
書跡・典籍
延暦交替式
国宝
書跡・典籍
史記巻第九十六・九十七残巻
国宝
書跡・典籍
春秋経伝集解 巻第二十六残巻
国宝
書跡・典籍
春秋経伝集解 巻第二十九残巻
国宝
書跡・典籍
漢書 高帝紀下・列伝第四残巻
国宝
書跡・典籍
玉篇 巻第二十七
国宝
古文書
越中国官倉納穀交替記残巻
国宝
古文書
周防国玖珂郡玖珂郷延喜八年戸籍残巻
重文
建築物
東大門
重文
建築物
鐘楼
重文
建築物
御影堂
重文
建築物
蓮如堂
重文
建築物
経蔵
天然記念物
天然記念物
石山寺硅灰石
基本情報
| 名称 | 石山寺(いしやまでら) |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県大津市石山寺1-1-1 |
| 宗派 | 東寺真言宗 大本山 |
| 創建 | 747年(天平19年) |
| 開基 | 良弁 |
| 本尊 | 如意輪観世音菩薩(秘仏) |
| 札所 | 西国三十三所 第13番札所 |
| 特徴 | 紫式部ゆかりの寺・源氏物語ゆかりの寺・近江八景「石山秋月」 |
| 国宝 |
本堂 多宝塔 石山寺縁起絵巻 釈摩訶衍論 淳祐内供筆聖教(薫聖教) 延暦交替式 史記巻第九十六・九十七残巻 春秋経伝集解残巻 漢書残巻 玉篇巻第二十七 越中国官倉納穀交替記残巻 周防国玖珂郡玖珂郷延喜八年戸籍残巻 |
| 重要文化財 |
東大門 鐘楼 御影堂 蓮如堂 経蔵 木造如意輪観音半跏像 ほか |
| 天然記念物 | 石山寺硅灰石 |
| 御朱印 | あり |
| 拝観料 | あり |
| 駐車場 | あり |
| アクセス | 京阪石山寺駅から徒歩約10分 |
| 公式HP | https://www.ishiyamadera.or.jp/ |
