石上神宮(いそのかみじんぐう)は、奈良県天理市に鎮座する日本最古級の神社の一つで、『古事記』や『日本書紀』にもその名が記される由緒ある古社である。古代豪族物部氏の総氏神として崇敬され、古くから武運や国家守護を司る神として信仰を集めてきた。
主祭神は布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)で、神武東征を助けたと伝わる神剣「布都御魂剣」の霊威を神格化した神である。併せて布留御魂大神、布都斯魂大神などが祀られ、健康長寿、病気平癒、除災招福、勝負必勝の守護神として広く信仰されている。
石上神宮の大きな特徴は、もともと本殿を持たず、禁足地そのものを御神体として祀っていたことである。明治時代に禁足地が発掘され、伝承されていた神剣や神宝が出土した後、現在の本殿が造営された。今も禁足地は厳重に守られ、古代信仰の姿を今に伝えている。
境内には鎌倉時代の国宝・拝殿が建つ。檜皮葺の重厚な建築で、現存する最古級の拝殿として知られる。また、重要文化財の楼門や、国宝に指定されている摂社出雲建雄神社拝殿など、多くの文化財が残されている。
神宮には古代東アジア交流を物語る名宝として知られる国宝「七支刀」が伝来している。独特な形状をもつこの鉄剣は4世紀頃に百済からもたらされたと考えられ、日本古代史を語るうえで極めて貴重な文化財である。
また、境内では神の使いとされる鶏が自由に歩き回る姿が見られ、古社ならではの穏やかな雰囲気を醸し出している。深い杜に包まれた境内は、奈良盆地に残る古代信仰の空気を今なお感じさせる神聖な空間である。
石上神宮は、日本建国神話や古代国家の歴史と深く結びつく神社であり、国宝建築や七支刀など数々の文化財を伝える、日本を代表する古代信仰の聖地である。
文化財
国宝
建築物
拝殿
国宝
建築物
摂社 出雲建雄神社拝殿
国宝
工芸品
七支刀
重文
建築物
楼門
重文
考古資料
禁足地出土品
重文
工芸品
鉄盾
重文
工芸品
色々威腹巻(兜・壺袖付)
基本情報
| 名称 | 石上神宮(いそのかみじんぐう) |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県天理市布留町384 |
| 創建 | 創建年代不詳(日本最古級の神社) |
| 主祭神 |
布都御魂大神 布留御魂大神 布都斯魂大神 |
| 社格 | 旧官幣大社・別表神社 |
| 特徴 | 物部氏の総氏神・日本最古級の神社・七支刀を伝える古社 |
| 国宝 |
拝殿 摂社 出雲建雄神社拝殿 七支刀 |
| 重要文化財 |
楼門 禁足地出土品 鉄盾 色々威腹巻(兜・壺袖付) 木造神像群 |
| 御朱印 | あり |
| 拝観料 | 境内自由 |
| 駐車場 | あり |
| アクセス | JR・近鉄「天理駅」から徒歩約30分 |
| 公式HP | https://www.isonokami.jp/ |
