桜井神社(さくらいじんじゃ)は、大阪府堺市南区に鎮座する古社で、古くから「上神谷八幡宮」として地域の人々に親しまれてきた。和泉国大鳥郡の総鎮守として栄え、現在も豊かな緑に囲まれた静かな境内に、長い歴史と信仰の面影を残している。
この神社を特徴づけるのは、何よりも国宝・拝殿の存在である。鎌倉時代に建立されたと考えられるこの建物は、現存する拝殿建築の中でも最古級のものとして高く評価されている。外壁の白壁と朱色の木部が美しい対比を見せ、簡潔でありながら洗練された意匠には、中世建築ならではの力強さと気品が感じられる。
拝殿は中央を通り抜けることのできる割拝殿という珍しい形式を採用している。内部には鎌倉時代の建築技術を伝える梁や蟇股(かえるまた)が残され、華美な装飾に頼らない構造美を間近に見ることができる。この独特の建築様式は、桜井神社を全国でも貴重な存在へと押し上げている。
また、秋祭りで奉納される「上神谷のこおどり」は国の選択無形民俗文化財に指定されている伝統芸能である。雨乞いの祈りと深く結びついた古式の舞は、中世から受け継がれてきた地域文化の豊かさを今に伝えている。
境内を包むクスノキの大樹や穏やかな里山の風景も桜井神社の大きな魅力である。歴史ある国宝建築と地域の信仰が自然の中で調和する姿は、華やかな文化財とは異なる落ち着いた美しさを感じさせる。桜井神社は、鎌倉時代の建築技術と地域の祈りの歴史を今に伝える、堺を代表する文化遺産なのである。



文化財
国宝
建築物
拝殿
基本情報
| 名称 | 桜井神社(さくらいじんじゃ) |
|---|---|
| 別称 | 上神谷八幡宮(にわだにはちまんぐう) |
| 所在地 | 大阪府堺市南区片蔵645 |
| 創建 | 不詳(平安時代以前とされる) |
| 主祭神 |
応神天皇 神功皇后 仲哀天皇 |
| 社格 | 旧郷社 |
| 特徴 | 堺市唯一の国宝建造物を有する古社・現存最古級の割拝殿 |
| 国宝 | 拝殿 |
| 重要文化財 | 上神谷のこおどり(国選択無形民俗文化財) |
| 御朱印 | あり |
| 拝観料 | 境内自由 |
| 駐車場 | あり |
| アクセス | 泉北高速鉄道「泉ヶ丘駅」から南海バス利用 |
| 公式HP | https://sakurai-jinja.org/wp/ |
